市長の部屋

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勝山市・水上実喜夫市長インタビュー|愛着と誇りのあるまちへ
きょうりゅうライター
福井県の東に位置する勝山市は、四季折々の豊かな自然や「恐竜博物館」があるまちとして、全国から注目を集めています。今回は、勝山市・水上実喜夫市長に、就任後進めていくまちづくりや地元企業の強み、次の時代を担う若い世代に期待することを伺いました。
きょうりゅうライター
勝山市には主としてどのような産業が根付いてきたのでしょうか?
勝山市の中心市街地は小笠原藩の城下町として栄え、幕末から明治にかけて産業の中心が煙草から養蚕、絹織物へと変遷し、大正・昭和にはレーヨン、合成繊維繊物の一大産地として発展しました。皆さんの身の回りにある衣服やスポーツ用品、精密機器、産業資材などにも勝山でつくられた繊維が数多く使われており、数ある繊維産地のなかでもその技術力は高く評価されています。
きょうりゅうライター
勝山市ではどんなまちづくりを進めているのでしょうか?
勝山市は平成の市町村合併を選択せず、単独市として個性豊かな自治体を目指しています。本町通りの景観整備、花月楼、大清水、はたや記念館ゆめおーれ勝山をはじめとした中心市街地の再整備など、時代に合わせた住みやすいまちづくりを着実に進めてまいりました。それと同時に、市内の各地域が自分たちのまちの魅力を再発見し、山間の北谷地区で古くから伝わる冬の伝統保存食「鯖のなれずし」の特産化や野向地区の荏胡麻(えごま)栽培を復活させるなど、新たなビジネスの兆しも生まれています。まさに、「まちは人によってつくられる」ということを強く感じています。
きょうりゅうライター
勝山の企業にこれから期待することはなんですか?
勝山市の発展には、若者をはじめとして転出の抑制と転入の増加が不可欠であり、それには「働きたい場」の確保が必須です。その点で、企業誘致は必要なことですが、市内にも歴史ある企業や小規模でも若手経営者が意欲をもって頑張っている企業が数多くあり、実際に人材を求めています。まずは自らの企業や事業所の取組みを知ってもらい、市内外ヘ広く周知することにより、「こんな魅力的な企業が勝山にはあるんだ!」と若者たちに希望を与えていただきたい。行政としてもしっかり支援を行い、人と企業の双方に選ばれる勝山を目指したいと考えています。
きょうりゅうライター
市内の若者に期待することはなんですか?
勝山市には全国に誇る観光資源や技術があります。北陸新幹線の金沢-敦賀間開業や中部縦貫自動車道の全線開通を間近に控え、交通の便が向上することにより、今後新たなビジネスチャンスが生まれるはずです。さらに、在宅勤務が社会に定着し、休暇を楽しみながら働くといった新たな価値観が広がりつつあるなか、ひとつの居住地に縛られない新たな生活スタイルへの理解が広がり始めています。私たち大人にできることは、人の交流と物流の新たな時代の到来にあわせ、これからの若者たちが活躍するための土台づくりをしていくことです。時代の変化をチャンスととらえ、若い人たちには勝山で新しいコト・モノをどんどん生み出していただきたいです。

都会に出て、就職や結婚、子育てを機に地元へ戻ろうかと考える方、さらには都市圏を離れ、地方で生活することに高い関心を持つ方が近年、増加しています。実際、勝山に転入し、子育てや仕事の面で都会とは違った暮らしやすさを感じている方たちの話もお聞きしています。これからも、「戻りたいな」・「行ってみたいな」と思ってもらえるような魅力あるまちづくりを進めつつ、さらには、人と企業に選ばれるまちを目指して、起業の機会や雇用の場の確保・支援を一層推進していきます。
みなさんのふるさと勝山をあらためて見つめ直してみませんか?